はりについて

 はりとは、金属等の道具を使い、身体の一定部位に穿刺刺入または接触させて機械的刺激を与え、それにより得られる様々な生体反応を利用して、生活機能の改善や疾病の予防などに広く応用する施術をいいます。

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きゅうについて

 きゅうとは、もぐさ又は他の可燃物を燃焼させ、身体の一定部位に直接又は間接的に温熱刺激を加えることより起こる様々な生体反応を利用して、生活機能の改善や疾病の予防などに広く応用する施術をいいます。

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あん摩マッサージ指圧について

 あん摩マッサージ指圧とは、身体の一定部位に対し、手や指を使い「おす・もむ・なでる・さする・たたく」などの機械的刺激を与え、それによる反応からの治療効果を期待し、健康を増進させる手技療法です。
 最近では、一般的にすべて一括りでマッサージと言われる事が多くなりましたが、適応疾患や部位などに応じ、三種類の技法の中から選択または組み合わせて用います。
 それぞれの特徴については後述のとおりです。
 効果としては、血液やリンパ液の循環をよくし、新陳代謝を旺盛にし、関節・筋肉などの拘縮、癒着、硬結を解きほぐすなどの作用があります。
 また、自律神経を介して、内臓諸器官を調整する作用があるので、健康人にあっても健康度をより高度に維持・向上することが可能です。

あん摩

 あん摩とは、「あん(按)=おさえる」、「摩=なでる」を意味しています。
 古代中国で生まれ、奈良時代に日本へ伝わったとされています。体の中心から手足に向かって、衣服の上から施術するのが特徴です。

 あん摩は、筋肉のしこりを取り除き、筋肉内組織の血液循環を良くし、新陳代謝を盛んにします。また、刺激を与えて生体の機能調節を図ります。特に腹部に行うことで消化吸収を促進して元気に生活を送ることができます。

マッサージ

 マッサージ(Massage)という言葉のもとはフランス語ですが、その語源はアラビア語の「おす(Mass)」とギリシャ語の「こねる(Sso)」という意味です。ヨーロッパで発祥し、明治時代に日本へ輸入されました。オイルやパウダーを用いて、手足から体の中心に向かって、皮膚を直接刺激していくのが特徴です。

 マッサージは、循環系を対象に血液、リンパの流れを促進し、筋肉や関節などにも多種多様の効果があります。近頃は、浮腫(むくみ)に対して効果のある医療的なリンパドレナージなどがあります。

指圧

 指圧は、日本で明治時代末から大正時代にかけ成立しました。衣服の上から体表の一定部位を押します。生体の変調を矯正し健康の維持増進を図ったり、特定の疾病治療に寄与する施術です。

 指圧は、皮膚の働きを活性化し、筋肉を和らげ、血液リンパの循環を促します。また、骨格を矯正し、神経や内分泌の働きを調整し、同時に内臓の働きを活発にします。



はりについて

 はりとは、皮膚、筋、筋膜など身体表部位の特定刺激部位(経絡経穴など)に接触または穿刺し、身体に物理刺激を与える事で起こる効果的な生体反応を利用し、各種疾患に対して治療を行う東洋医療技術です。
 はりの歴史は、歴史的資料によりますと、中国の春秋戦国時代(BC320~BC221)から始まったとされ、鍼灸医学の原典といわれる黄帝内経(こうていだいけい)の原形ができたと考えられています。
 日本に鍼灸の技術が伝わったことは6世紀頃とされ、遣隋使や遣唐使などによってもたらされたといわれ、江戸時代には全盛期を迎え数多くの臨床実績を残し、独自の発展をしています。
 代表的なものとして、御園意斎が、それまで鉄で作られた鍼を金や銀で作り始め、打鍼術を創始したことや、盲人の杉山和一が管鍼術を創始し、細く柔らかい鍼をよういに刺入することを可能にし、痛みを生じないように治療する日本式の鍼灸術の特徴をもたらした技術革新でした。現代においても広く用いられる技法です。

はりには以下のような作用がみられると考えられています。

調整作用 組織、器官に一定の刺激を与え、その機能を回復させる。
 鎮静作用
 疼痛や痙攣のような異常に機能が亢進している疾患に対して行う。刺激した場所の組織を活性化する。鍼の補法(足りない気を補う)で用いる。
 興奮作用
 知覚鈍麻、消失あるいは運動麻痺のような神経機能減弱、内臓諸器官の機能減退に対して興奮させる。刺激した場所の組織を低下させる。鍼の瀉法(余分な気を抜く)で用いる。
誘導作用 血管に影響を及ぼして充血を起こして患部の血流を調節する。
 患部誘導作用
 患部に鍼を打つことで打った部位の血管を拡張させ患部に血液を集める。
 健部誘導作用
 健部に鍼を打つことで打った部位に炎症部などの集まった血液を健部に集める。
反射作用 痛みや温度で刺激して、反射の機転を利用して治療を行う。
その他
 転調作用
 自律神経失調、アレルギー体質などの体質改善で用いる。
 消炎作用
 白血球を増加させて患部に遊走させたり、リンパ系を賦活させることで病的な滲出物の吸収を促進する。
 免疫作用
 白血球を増加させて、免疫機能を高める。
 防衛作用
 白血球を増加させたり、免疫系(網内系)を賦活させたりする。


きゅうについて

 3000年以上前から中国で行われていた治療法で、仏教の伝来と共に日本に渡ってきたと言われています。
 東洋医学というより、民間療法やお寺の灸として知られていますが、お灸の効果は最先端の西洋医学からも十分説明できる治療手段といえます。
 材料は、お菓子の蓬(ヨモギ)団子にも使われる緑色のヨモギの葉を乾燥させたものです。硬い不純物を何度も除去し、精製した裏毛付近の柔らかな繊維のみからできています。
 大きさは、ゴマ粒くらいから米粒の半分ほどの円錐状の「もぐさ(=燃え草)」をひねります。用いる方法には、肌の上に直接のせて点火する「直接灸(透熱灸)」や、台座になるもの(ニンニク、ショウガ、ビワ葉、味噌、薬効のある練り物など)をはさんだり、空気の層などで直接肌に触れない工夫がされたもの(隔物灸・間接灸)などがあります。
 昔から、時代や地方ごとに様々なやり方が伝えられています。効果があったからこそ、長年工夫がなされ伝承されてきたということがわかります。

なぜお灸で身体に治療効果を上げられるのでしょうか?

 古臭いマジナイみたいだと思われる方に、西洋医学から説明してみます。
 毎日、私達の身体を健康に保っていくためには、自律神経の働きが関与しています。「交感神経」と「副交感神経」のバランスが大切だと、いまでは多くの方が常識としてご存じです。

 きゅう師が「つぼ」を選定し、お灸をすることで温かさや熱の刺激により身体はリラックスしてきます。そのとき脳から(患者さんのつらい場所の)痛みを抑制する脳内物質が出るようになり、痛みも和らいでいきます。

 リラックスしていくうちに、痛みによってそれまで交感神経優位だった体の内部が、副交感神経優位になっていきます。
 副交感神経は、消化器官や、心臓や血液循環などが円滑にはたらくように指令を出してくれています。皆さんが眠っていても、心臓が止まらないで脈を打ち続けてくれたり、血液が順調に流れてくれたり、食べたものが消化吸収されていくのもみんなこの副交感神経の働きのおかげです。「ああー気持ちがいいなあ」と感じているうちに副交感神経の働きが次第に優位になって、だんだんと身体の調子がよくなっていくのです。

 また、直接肌にお灸をする昔からのやり方も、現代の免疫学的な合理性があります。
 お灸(温度が65℃以下)で軽いヤケドが生じ、タンパク質の変成が起きます。それを中和するため血液成分が変化します。お灸を続けていると風邪をひきにくく、ひいても軽く、治りも早いといわれますが、血液の成分(白血球やリンパ球など)を構成する割合がお灸をすることで変化するからなのです。これが免疫学的な説明であり、このことが古いけれども新しい治療法であるというわけです。

 お灸は(鍼やマッサージも)薬とは違います。当然ながら鍼の先や指の先から薬品が出ているわけではありません。
 薬と違って痛みや不快な症状を「抑える」のではありません。ヒト(患者さん)が自分の体に持っている薬箱(つまり自然治癒力)を開かせてあげる道具(鍵)がお灸であり鍼やマッサージなのです。